「今こそソーシャルアクションを起こすべき時だ。」
「アノミー状態を身をもって体感している。」
試験はまだ続いている。
「これは、隠れた実技試験なのかもしれない。」
直後のSNSには専門用語と共に、受験生の不満が飛び交っていた。
皆のやり場のない怒りや悲しみ、文句を眺めながら、今回の試験に思いを馳せる。
正直、実務経験がある私は、もっと点を取れていたはずだ。
しかし、その取りこぼしが重かった。
難易度は高かったけれど、実務経験者が有利に感じる知識が問われていた。
印象として、これまでは現場SWより学生の合格率が高かった。
時間の余裕がある学生が圧倒的に有利だったからだ。
しかし——今年は違った。
SNSには、悲鳴のような声が流れていた。
例えば——
「内定が決まっているのに落ちたら就活やり直し」
「問題集も模擬試験もやりこんだのに、点が取れなかった。終わってからずっと泣いていた」
え、学校で教わっていないところが出たの?
対策されていなかったの?
それはエグすぎる。
もし自分が学生だったらと思うと、背筋が凍る。
パニックと混乱の中、各社の解答速報が流れてきた。
しかし驚くべきことに、回答が割れている。
「そんなことある?」
各社で答えが違うなんて、どういうことだ。しかも1問や2問どころではない。10問以上割れている。
割れた問題の一例として、午前の共通科目「問題18」を挙げてみようと思う。正直、かなり考えさせられる問題だ。ぜひ、あなたも考えてみてほしい。
事例を読んで次のうち、社会福祉士としてひとり親家庭であるAさん親子の状況を把握する上で、妥当な社会学の概念として、最も適切なものを1つ選びなさい。
【事例】
非正規の仕事を2つ掛け持ちしながら小学生の子供Bさんを育てている母親Aさんから相談が入った。「怒鳴っても子どもが言う事を聞かなくて困っている。子供をしつけるにはどうしたらよいか」という。詳しく話を聞いたところ、Bさんは流行りのゲーム機を買ってもらえないため駄々をこねているという。また「自分は親に怒鳴られて育ってきた。おかげでまともな人間になったと思っているし、怒鳴る以外にいう事を聞かない子供をしつけるやり方もわからない」とのことである。
- 予言の自己成就
- 相対的剥奪
- 社会的孤立
- 役割葛藤
- 互酬性
これは各社②と④で回答が割れた。私は②だと思っている。あなたはどうだろうか。
さて、こんな感じで問題としては非常に興味深い、いわば実用的な問題が多数出たように感じている。
実際の相談業務の現場には、
リッチモンドさんも竹内愛二さんも来てくれない。
だからこそ、こうした実用的な課題の方が、
後の自分の役に立つことは明らかだ。
私は、同士たちの声を探しながらインターネットの中をしばし彷徨った。
大変お世話になった、赤マル福祉の掲示板では、悲嘆に暮れる受験生を、事務局の方が労わり、寄り添い、果てには一緒に怒ってくれていた。
動画と模擬問題で大変頼りになったカリスマ社会福祉士さんも、「取れる問題も多かった」としつつ、「今回の試験は努力が報われにくい試験だった」と受験生に寄り添ってくれた。
このような形ではあるが、同じ時期に同じ気持ちでいる人たちがいること。
同じ試験に真剣に挑んだからこそ、この気持ちを共有することができる、その事実は、少し嬉しく思えた。
試験後2日もすると不満を漏らす方も減り、皆日常へ戻っていく。
試験と向き合ったこの一年間は、二度と戻りたくない苦しい時間ではあるが、振り返るとすでに懐かしい。今回落ちていたら、また来年も…という気力は残らないほどに力を尽くした。きっと皆同じなんだろう。
38回社会福祉士国家試験受験者を、私は勝手に戦友だと思っている。
お互いに本当に頑張った。
また、今回無念にも受験できなかった方も多かったのではないか。感染症流行シーズンの受験は、運も左右してしまう、非常に厳しいものであった。
このまま福祉の道を歩んでいれば、いつかまたどこかでお会いするかもしれない。 今年の受験者すべてに、幸せがありますように。