社会福祉士の短期養成講座は、私にとって、決して楽な道のりではありませんでした。
実際に受講してみて、「想像以上に大変だったこと」と「それ以上に得られたもの」がありました。
実は私は、最初の一本目のレポートで不合格を経験しています。
本記事では、スクーリングの様子やレポート作成でつまずいた経験、そこから学んだ対策まで、受講者の立場から率直にお伝えします。
社会福祉士の短期養成講座(6ヶ月以上1年未満)は、ハローワークの「専門実践教育訓練給付制度」の対象となる講座が多くあります。
一度学費を全額支払い、後に一定の要件を満たせば段階的に返還され、すべての条件を満たした場合は最大80%が戻ってくる非常にありがたい制度です。
私もこの制度を活用し、全国社会福祉協議会・中央福祉学院の社会福祉士短期養成講座(通信)を受講しました。ハローワーク経由で申し込む場合、この講座を選ぶ方は多いのではないでしょうか。
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スクーリング会場について
私の受講当時(令和7年度)、スクーリングは複数の会場・日程から選択することができました。
- ロフォス湘南(合宿コース):5日間×1回
- ロフォス湘南2回コース:3日間×2回
- 東京3回土日コース:2日×3回
- 東京3回平日コース:2日×3回
- 東京2回コース:3日×2回
- 神戸コース:2日×3回
- 福岡コース:2日×3回
私はロフォス湘南を選択しました。研修施設と宿泊施設が一体化しており、宿泊費はかかるものの遠方からでも参加しやすい環境でした。
併設のレストランの食事はとてもおいしく、交流会のメニューも本格的でした。レストランを利用しない場合は持ち込みも可能で、コンビニで購入したものや持参したお弁当を食べるスペースもあります。屋外には喫煙スペースも設けられていました。
また、(当時は)夜に受験対策講座も開催されており、宿泊とあわせて勉強に集中できる点も魅力でした。
手入れの行き届いた園庭の池にはカルガモがくつろいでおり、眺めているだけで癒やされました。ただし近づくと警戒して離れてしまいます。少し距離を詰めた際、こちらを一瞥したあと「皆、あちらへ行きましょう」と言わんばかりに集団で移動されてしまったのは、少しさみしい思い出です。
中央福祉学院のサポート体制について
慣れない学習面で不安を感じることもありましたが、中央福祉学院のサポート体制は安心して学習を進められるものでした。
定期的に過去問題がメールで配信され、質問にも真摯に対応していただけたので、独学でも迷わず進めることができました。講師の方々も親切で、具体例が多い授業のおかげで、最後まで興味を持って受講することができました。厳しさの中にも支えがある環境だと感じています。
受験対策としては、「合格プラン」(有料)という、参考書・受験対策動画・模擬試験がセットになった案内もありました。スクーリングがセットになったコースも用意されていました。私は、サンプルを確認した結果、自分には合わないかもしれないと感じ合格プランは申し込みませんでしたが、無課金で利用できる「赤マル福祉合格サポート」は活用しました。過去問題や模擬問題を手軽に学べるHPで、隙間時間に勉強するのに便利でした。
ただし、今年度の試験は過去問を中心とした学習だけでは得点が伸びにくく、時事問題や現場経験者が有利な内容が多かったため、赤マル福祉で解いた過去問で得られた点数は限られていました。実際、38回社会福祉士試験は難化したと評判で、学生の中には試験後お通夜状態の子もいたそうです。それでも、試験の全体像や専門用語、知識の土台を得ることができたと感じています。赤マル福祉での学習は基礎固めとして有用でした。
事務局の方々も温かく対応してくださり、併設レストランのおすすめメニューを教えていただくなど、細やかな気配りが印象に残っています。また、受験前には合格祈願の鉛筆を受講生に配布してくださり、当日はその鉛筆を握りしめて試験に臨みました。こうした小さな心遣いに、学習面だけでなく精神面でも支えられていたと感じています。
スクーリングで得た、もう一つの学び
スクーリングでは授業内容だけでなく、受講者同士の情報交換が非常に有益でした。
会場にはさまざまな職種の方が全国各地から集まっており、それぞれ異なる現場を経験しています。その体験談を直接聞けること自体が、大きな学びにつながりました。
今後再びお会いすることがあるか分からない——そう思い、私は恥を捨てて気になることは積極的に質問しました。「これを知りたい」という問いに対し、多くの方が真摯に答えてくださったのが印象的です。
こうした方々が福祉の現場を支えているのだと感じ、大きな頼もしさを覚えました。スクーリングは単なる講義の場ではなく、同じ志を持つ人々と出会い、視野を広げることができる貴重な機会だったと感じています。
通信講座の内容とレポートの壁
通信講座で求められる学びは、スクーリングとレポート提出です。
簡単そうに聞こえるかもしれませんが、個人的にはレポートが最大の難関でした。提出しなければならないレポートは、通信授業科目8本と、ソーシャルワーク演習科目4本、全部で12本。これまでレポート提出とは無縁だった私は、手探りで作成することになりました。
そして一本目のレポートは不合格でした。
理由は明白で、レポートの形式が守られていなかったからです。最大の原因は、「問われていることに対する明確な答えを書いていなかったこと」だと考えています。
ちなみに、レポートの不合格が許されるのは1回限りです。さらに、不合格となったレポートを修正して再提出する際には**5,500円(令和7年度当時)がかかります。金銭的負担もあるため、最初からルールを理解して取り組むことの重要性を痛感しました。
正直に申し上げると、ルール自体は確認していました。それでも不合格になってしまったのです。後から気づいたのは、レポートには「型」があるということでした。
「〇〇について説明せよ」という問いに対しては、
- 冒頭で問いに関する答え、結論を書く
- その後に理由を書く
- 自分なりの考察を述べる
- 最後にまとめる
この方法に変えてからは、レポートを落とさずに済むようになりました。結果として評価も安定し、レポートは文章力以上に「型」を理解することが重要だと感じています。
また、当然のことながら、学習の手引き内の「レポート作成」についての項目、各教科の到達目標、「レポート課題」の項目とその説明について、しっかり目を通した上でレポート作成に取り掛かることが重要であると実感しました。
一方で難しさを感じたのは、引用や文章表現に関するルールでした。
レポートでは、インターネット上の文章のコピー&ペーストはもちろん、教科書の記述をそのまま用いることも盗作とみなされます。そのため、内容を十分に理解したうえで、自分の言葉で表現することが求められていました。
また、教科書を引用する際には引用部分に対する説明を加え、参考資料を最後に明記する必要があります。参考文献は書籍や新聞記事が望ましいのだろうと感じつつも、インターネット上の記事や動画、オンラインで閲覧できる論文の中にも有益なものが多く、それらも取捨選択しながら活用しました。
最初のレポートが不合格となり、正直なところ大きなショックを受けました。しかし、早い段階で課題点を指摘していただけたことで、その後のレポート作成に活かすことができました。振り返れば、この経験は今後の学習にとって有意義だったと感じています。
レポートは「読まれること」を意識する
レポートを書くうえで大切なのは、読む側の立場に立ち、分かりやすい文章にすることが大切だと学びました。そしてその中に、自分の考えを盛り込むことも同じくらい重要だと感じました。
私は「専門の先生にレポートを読んで採点していただく機会はそうそう得られるものではない」と考え、求められている要件を満たすだけでなく、自分なりの考察や率直な思いも書くようにしていました。
一般的に、評価されやすい形に整えたレポートの方が得点は上がると理解していたのですが、それでも福祉を専門とされている教授に読んでいただき、どのような反応をいただけるのかを知りたいと考えました。
もちろん、問いに対する答えが不明確である、倫理的な問題がある、構成が整っていないといった基本が欠けていれば評価の対象にはなりません。しかしそれらを押さえていれば、自分なりに学んだ結果の考察や意見を書いたとしても、再提出が必要なほど評価が下がることはないと感じています。
実際に提出したレポートには、教授から簡潔ながらも的確なアドバイスをいただくことができました。その言葉は、自分の考えが専門家に届いたのだと実感させてくれるものでした。
レポートは評価されるためだけのものではなく、専門職としての思考を鍛える訓練でもあるのだと感じています。
レポート作成を通じて感じたこと
レポート作成の目的は単位取得だけではありません。作成過程を通じて知識を深め、自分の考えを整理することに大きな意味があります。
福祉分野のレポートは、ときに人の人生や社会課題に向き合う内容になります。私はこれを一種の「感情労働」だと感じました。非常に疲労を覚える作業ではありますが、ひとつのテーマについて深く考える経験は極めて重要です。
実際、1本のレポートを仕上げるために数日を費やしました。内容を理解し自分の中に落とし込み、それを言葉としてアウトプットする——この作業は想像以上に大変でしたが、確実に自分の血肉になっていると感じています。
これから受講する方へ
私は、短期養成講座を修了することで、社会福祉士の受験資格を得ることができました。この受講期間を通して、どのように情報を収集するのか、どのように時間を過ごすのか、そして何を得たいのかを考えながら過ごすことは、私にとってとても大切な時間だったと感じています。
NHKでは福祉に関する番組や特集が多く放送されており、またネット配信のABEMAでは、福祉や社会問題をテーマにした討論番組も行われていました。短期養成講座を受講する以前は、自分の専門分野についてしか積極的に調べていませんでしたが、社会福祉士の学習を通して幅広い分野に触れることで、自然と視野が広がっていきました。
振り返ってみると、学びの大変さはありましたが、それ以上に考えることの多い、充実した時間だったように思います。この経験が、これからの自分の歩みを考える一つのきっかけになったように感じています。
これから短期養成講座を受講される方々も、決して楽な時間ばかりではないかもしれませんが、その中で学ぶことの面白さや、自分自身の変化を感じる瞬間があるのではないでしょうか。
それぞれのペースで、実りのある時間を過ごされることを願っています。
※本記事の内容は受講当時の情報に基づいています。最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。